トニー滝谷 スタンダード・エディション [DVD] 通販サイト


トニー滝谷 スタンダード・エディション [DVD]

¥3,990
ジェネオン エンタテインメント

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小説と音楽に追随・萎縮した映画
 市川準が監督と知り全く見る気の起こらなかった今作。原作は、今『ノルウェイの森』の映画化が物議を醸しておりますが、映画化されたのはこれと『風の歌を聴け』のみという「容易に画が浮かぶのに容易に描かれない/描けない」物語ばかり書く村上春樹。

 結論から言えば、落胆。春樹の小説と教授の音楽に追随しただけの、萎縮した映画にしか思えなかった。

 清潔で冷静であるがゆえに、「無菌状態の」虚無や孤独や絶望を湛えた主人公――そんな春樹作品の主人公をイッセー尾形は見事に体現しているし、宮沢りえもまた、「服を着るために生まれてきたような」女を見事に体現している。
 紛れも無い日常であるのに現実味を幾分欠いた、「あの」空気感を出すために、教授の音楽に饒舌に語らせ、西島秀俊の味気ない語りによって小説の一節を何度も映画に介入させ、挙句劇中の登場人物にもしゃべらせる。そして映画はトニー滝谷の半生の記憶を、早回しのダイジェストのように、時折屋内にいるのに印象的に吹いている風のように、なぞっていく、だけ。

 これを実験的手法といえばそれまでだし、監督の原作への愛が凄い伝わってくるといえばそうなんだろうけども、はっきり言えばそれがどんなにつまらないことかをこの作品は証明してしまった。解釈と再現が、あまりにも乖離してしまっているから。

 どうしても原作のファンは怒るんだけど、監督には窮屈な再現に縛られることなく解釈にとことんこだわって欲しい。
2008-08-24
優しい雨のような映画。
雨です、、なぜか自然に、、この映画を、、、部屋の大きな窓を開けて、、窓の近くで観ました。

今日はとても湿度が高く、でも涼しく、でも、涼しい中にも夏へ向かう力というか優しさがあり、
大粒の雨が沢山降っていて、雨音が庭の木やデッキにあたる音が、この映画のように心地良かったからです。
まるで、映画の空気感に包まれたような静かな優しい一日でした。

坂本龍一のピアノも今日の雨音に合い、ほんとに、映画の中に入ってしまったような感覚でした。
別にキリスト教徒ではありませんが、、ピアノ曲が、何故かアベマリアと聞こえます。
不思議な充実した一日をありがとう。

雨はまだ、やさしく、降り続けています。

今日の雨は、きっと育みの雨ですね、、、きっと、、、
トニー滝谷とあの女性も愛情を育みあうのでしょう。
2008-06-22
村上春樹の空気をつかまえた、透明感あふれる作品です
「トニー滝谷」は村上春樹の短編を映画化したものです。
私は世代の例に漏れず、村上春樹の小説を耽読しながら大人になりました。
短編よりも長編の方が好きですが、この作品が入っていた小説も大好きでした。
不思議ですが、「トニー滝谷」が一番頭に引っかかっていて、忘れられませんでした。

そうこうしているうちに、市川準監督が映画化するという噂を聞き、公開を待って渋谷の旧ユーロスペースに見にいったことを覚えています。
市川監督の、あの静謐ともいえるタッチが、自分のイメージとピッタリだったんです。
主演はイッセー尾形と宮沢りえということで、宮沢りえについては違和感がなかったんですが、イッセー尾形は大丈夫だろうか?と疑問に思ったものです。
結果から言えば、個人的には良いキャスティングだったと思いました。

村上春樹の作品は、過去にも映画化されていますが、自分の思い入れがあるせいか、いま少ししっくりきませんでした。
あの空気感をつかまえて映像化しているのは、この映画がはじめてかなぁと。

映画を観て、この生活感のない透明さはいったいどこからくるのか?と不思議でした。
それほど透き通るような印象を残す映画でした。
それぞれ演技が淡白で静かなだけではなく、セットも音楽も全てが透き通っているのです。
DVD化されて、迷わずに買いました。
今でも大のお気に入りの作品です。

今回、やっとスタンダードエディションが発売ということで、ここにレビューを書きましたが、私のもっているのは2枚組みのプレミアム・エディションの方です。
映画自体が良いと思うので、値段の問題も考慮してこちらを買うのも良いと思います。
ですが、この映画を知っている方や、もう少し秘密を知りたい方は是非プレミアム・エディションの方を購入してください。
特典ディスクが秀逸です。
この映画の「秘密」が明かされています。
私はこれを見て、いろいろと納得しました。

2008-03-05
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