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秋日和 [DVD]¥2,800野田高梧 / 松竹ホームビデオ 0![]() |

「晩春」と鮮やかな好一対をなす名作
60年公開の、小津監督カラー作品第4作で、原節子を起用したカラー映画としては最初の作品。「晩春」と似たストーリーで、配偶者を亡くして親が娘の結婚を心配し、娘は寂しくなる親の将来を案じて結婚を考えたくない。そういう中で娘が結婚しやすくしようと親の再婚話が浮上し、娘は不潔だと反発する騒動がもちあがるが、最後には親は「今さらもう一度麓から山へ登るなんてこりごり」と自分は再婚しないが、「あなたはこれからなんだし、先々どんな幸せが待っているかわからないじゃない」と娘を最後の2人旅行の宿の夜にさとす。そして娘は結婚式を無事終え、親は寂しくなった家に戻り、万感胸に迫るものを感じつつ、うっすら笑みを浮かべて静かに終わる。粗筋だけ見ると晩春と同じではないかと思うが、晩春とは男女の立場を一部入れ替え、また世相の変化を反映している。すなわち、「晩春」と対比すると、以下のようになる(左が「晩春」、右が本作)。
親:父親(笠智衆)、母親(原節子)
娘:原節子、司葉子
結婚相手:登場せず(見合い)、佐田啓二(佐分利信の紹介→自由な交際)
世話焼き人:親の妹(杉村春子)、亡父の友人3人組(佐分利信、中村伸郎、北竜二)
親と世話焼き人の男女が入れ替わっているのが面白い。特に3人組は飲み友達で、北竜二は昔からのあこがれの女性と結婚できるのかと心ときめかせるが、結局ダシに使われただけ。この3人組と娘の同僚・岡田茉莉子が映画全体をユーモラスなトーンにしている。しかし、一番心に染みるのは親子での最後の2人旅行となる宿の夜の場面だ。原節子の屈指の名演技といっていいだろう。そして変わらぬ原節子の美貌。まさに「雨に悩める海棠」だ。
親:父親(笠智衆)、母親(原節子)
娘:原節子、司葉子
結婚相手:登場せず(見合い)、佐田啓二(佐分利信の紹介→自由な交際)
世話焼き人:親の妹(杉村春子)、亡父の友人3人組(佐分利信、中村伸郎、北竜二)
親と世話焼き人の男女が入れ替わっているのが面白い。特に3人組は飲み友達で、北竜二は昔からのあこがれの女性と結婚できるのかと心ときめかせるが、結局ダシに使われただけ。この3人組と娘の同僚・岡田茉莉子が映画全体をユーモラスなトーンにしている。しかし、一番心に染みるのは親子での最後の2人旅行となる宿の夜の場面だ。原節子の屈指の名演技といっていいだろう。そして変わらぬ原節子の美貌。まさに「雨に悩める海棠」だ。
2008-11-08
これまた完璧な
戦前のサイレント時代に岡田時彦というたいへん美男の俳優さんがいて、小津作品にも何本か出演している。芸域がとても広いひとで、悲劇のヒーローからドタバタコメディからなんでもできたそうである。残念ながら30代前半で肺結核のため他界して、トーキー時代まで生き延びることはなかった。
話は変わって、岡田茉莉子がこの映画に出演したあとで、なぜ自分にこの役をあてたのかと小津に直接問いただしたらしい。小津の答えが
「岡田時彦の娘だから多分できると思った。」
簡単ですが、大変重みのある答えです。この映画における彼女の演技はかなり難しい。従来の日本映画にはあまりない役で、ハリウッド風コメディ映画のバタ臭さを要求される。本作の出来は彼女にかかっていると言っても過言ではないのだが、その難役を見事に演じ切って、本作を傑作に仕上げている。つまりは「血」のなせるワザか?
亡き友の娘の嫁入り先を案ずる三人のオヤジたち(佐分利信、中村伸郎、北竜二)がいる。その娘の友人で、三人オヤジを手玉にとるチャキチャキ娘が彼女の役。本作の喜劇的なトーンを決定的にしているのは、三人オヤジと岡田の絶妙のアンサンブルで、まるでクラシック音楽の対位法のような効果を生んでいる。
「亡き友」の未亡人が原節子、娘は司葉子。司の結婚相手に佐田啓二。三人オヤジのなかでヤモメの北竜二が、他の二人に原節子と結婚しろとそそのかされて、すっかりその気になるのもおかしいし、彼らの会話にさりげなく、猥談が盛り込まれているのも一興。そしてカラー撮影に慣熟してきたと思われる小津の演出は、いろいろな意味で円熟の極みといえよう。他に岡田の斬新な衣装など、見所はじつに多い。これまた必見です。
話は変わって、岡田茉莉子がこの映画に出演したあとで、なぜ自分にこの役をあてたのかと小津に直接問いただしたらしい。小津の答えが
「岡田時彦の娘だから多分できると思った。」
簡単ですが、大変重みのある答えです。この映画における彼女の演技はかなり難しい。従来の日本映画にはあまりない役で、ハリウッド風コメディ映画のバタ臭さを要求される。本作の出来は彼女にかかっていると言っても過言ではないのだが、その難役を見事に演じ切って、本作を傑作に仕上げている。つまりは「血」のなせるワザか?
亡き友の娘の嫁入り先を案ずる三人のオヤジたち(佐分利信、中村伸郎、北竜二)がいる。その娘の友人で、三人オヤジを手玉にとるチャキチャキ娘が彼女の役。本作の喜劇的なトーンを決定的にしているのは、三人オヤジと岡田の絶妙のアンサンブルで、まるでクラシック音楽の対位法のような効果を生んでいる。
「亡き友」の未亡人が原節子、娘は司葉子。司の結婚相手に佐田啓二。三人オヤジのなかでヤモメの北竜二が、他の二人に原節子と結婚しろとそそのかされて、すっかりその気になるのもおかしいし、彼らの会話にさりげなく、猥談が盛り込まれているのも一興。そしてカラー撮影に慣熟してきたと思われる小津の演出は、いろいろな意味で円熟の極みといえよう。他に岡田の斬新な衣装など、見所はじつに多い。これまた必見です。
2008-10-23
日本の聖女といわれた女優、原節子。
1940年代より、その清らかな美貌で聖女とまで言われた女優こと原節子の貴重なカラー作品、公開は1960年ですから引退の2年前の作品ですね、夫の死から6年、女手ひとつで一人娘を育てた母、娘ももう24歳、そろそろ結婚を考えなければならない年齢なのだが、娘は母親が心配でならない、49年公開作品、晩春を思わせる名作、当時、原節子は40台前半ですが、とても若々しく美しい、彼女の娘役を司葉子が演じているのも面白い、お勧めです。
2008-03-03












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